お母さんのこと
- urujyu
- 2020年12月2日
- 読了時間: 2分
「きらきらひかるになる?」
長男の離乳食が終わり、いよいよ自分で食べ始める時
「最初のお茶碗に」と彼の名前にちなんだ「月」の陶器のお茶碗を買った。
それから、毎日使って落としたり、転がしたり。
欠かしたお茶碗を「きらきらなったよ。お星さまみたいに」と何度も何度も金継ぎで直した。
それはまだ、言葉をはなし始める前のこと。
3歳になるころ、自分で欠かしたお茶碗を持ってきて
「きらきらひかるなる?」と聞いてきた。
「きらきらひかるなるよ。お母さんが直してあげる」彼はちゃんと知っていた。
彼のなかには、「もったいない」という言葉はまだないと思う。
でも「壊れた陶器は治る」ということを知っている。
もうすぐ彼は3歳半。金や銀、毎回違う色で直すので
彼のお茶碗はお星さまのような金銀砂子。

二人目の女の子は、暴れん坊。お兄ちゃんの時と同じに
陶器のお茶碗を使いだしたら、見事一週間でパリンッ。
下の子は、割るのが上手。
気に入らないことがあると、なんの躊躇いもなく掴んで投げつける。
おかげで、揃いのお皿の一つは必ず金継ぎ。
今は、食卓が「きらきらひかる」
この器たちは、私の宝物。
子供との日々の美しい結晶。
子供たちの割ったお茶碗は、すぐに過ぎていく一番可愛い子供
頃の思い出。
子供のお茶碗は、お母さんの宝物
今、母親の私は「今」の大切な記憶を未来に残すため
「金継ぎ」をしている。
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